探偵の張り込み
探偵を20年間やってきて、1番苦労した探偵業務が張り込みでしたね。
正直、1番スポットライトが当たらないのに、1番苦労が多いのが張り込み。
新人探偵が脱落していく理由も多くが張り込みの辛さです。
でも…
お客さんも営業も「張り込みなんて出来て当たり前」を前提に話をしてきますけどね…
探偵はどこで張り込んでいるのか?
あくまで、探偵は目立ってはいけません。
これが大前提です。
もちろん、尾行中も張り込み中も同様です。
閑静な住宅地や細い路地など、物理的に張り込みができない場所は除いて、探偵はターゲットが建物内から出てくるところが確認できる位置で張り込みます。
ターゲットの自宅前のマンションに部屋借りたりして張り込むんでしょ?
なんて仰るお客さんも居ましたが
「そこの家賃、誰が払うんだよ!?」
とも言えず、
「ハハハハ、そういう場合もありますが、今回はそういうのは無しですね…」
で済ませました。
もちろん、探偵興信所だからマンションの持ち主が無料で張り込み場所を提供してくれるなんて20年間の探偵人生でなかったですね…
嫌ですよね?
警察でもない、得体の知れない探偵に部屋を貸すって。
企業案件は、結構部屋を借りてくれることが多い
経験上、個人のお客さんは調査自体を簡単に考えている方が多く、反対に企業のお客さんは「絶対に失敗は許されない」という気持ちが強く、比較的こちらの要望を受け入れてくれます。
もちろん、
道端で張り込んでるより、マンションの一室で張り込む方が楽です
から、これは大助かりでした。
これは何も「探偵が楽をするため」だけではありません。
そもそもがターゲットの警戒心を極力抑える事が目的で、犯罪の絡むような調査は「ほんの些細な違和感」があるだけで、ターゲットが犯行を起こさないことも珍しくないからです。
もちろん、調査自体スムーズに進む場合が多いからです。
また、その他では住宅街にある月極駐車場を1カ月だけ借りたりする事もよくやります。
想像してみて下さい。
月極駐車場の車に数時間おきに男が出入りしている場面を。
周りの住人がずっと見ていたら、絶対に警察に通報されていますよ。
とはいえ、張り込みの大半だ
路上での張り込み
になります。
本当に中年で張り込みやってると、数時間で腰が痛くなってきますよ。
探偵の調査費用が高いのは、こういった探偵たちの苦労も考慮して高めに設定されているのかもしれませんね。