皆さんがイメージする探偵と現実の探偵
探偵とは、大雑把にいえば
他人の秘密を密かに調査する行為、またはそれを仕事とする人の事である。
https://ja.wikipedia.org/
こんな感じで一般的には定義されていますよね。
日本における探偵は、殺人事件現場にも呼ばれもしなければ、警察と協力して事件を解決することもない…
みなさん、お察しだとは思いますが、そのような事は一切ありません。
私も20年間、探偵をしてきましたが、1回もありませんでした…
もしも、事件に巻き込まれたなら…
一般人として捜査に協力はするでしょうが「事件現場に自由に出入り出来たり、犯人を追い詰めて対決する」なんてありません。
当たり前ですよね?
実際、あなたも最寄りの公安委員会に届出を出せば「探偵」と名乗ることは可能です。
(もちろん、欠格事由はありますが…)
では、
探偵は何をしているのか?
多くは、
浮気調査に代表される「素行調査」、身辺調査、家出人調査、結婚前調査、裁判等で使われる証拠集めです。
少なくとも、私が勤めていた探偵事務所は99%これでした。
いわゆる「尾行」「張り込み」「聞き込み」を使ってできる調査ですね。
後述の探偵業法でも「これらを使って得た調査結果を依頼人に報告する」ことが探偵業と定義されています。
現役時代は「浮気調査や結婚調査ばっかりで、何が探偵だ!」と、自分のでは「調査員」だと考えていましたが、探偵業法が出来てから「探偵」と呼ばれることに抵抗も減りました。
その他の業務では
2005年(平成17年)頃までは、名前や生年月日から住所を調べたり、電話番号から氏名や住所を割り出すデータ調査と呼ばれる調査が盛んでしたが、この年に個人情報の保護に関する法律が施行され、このような調査も堂々とは出来なくなっていきました。
さらに追い打ちをかけるように、2007年(平成19年)から探偵業の業務の適正化に関する法律が施行され、さらに業務の幅が狭くなった感が否めなかったですね。
(お客さんにとっては、良い法律かもしれませんが…)
探偵業の業務の適正化に関する法律を馬鹿正直に解釈すると、実質探偵ができるのは「配偶者の不貞行為の証拠収集」つまり「浮気調査」や「家出人捜索」、「盗聴器の調査」、「結婚調査」の聞き込みぐらいしかない
と言っても過言ではなくなってしまいました。
アメリカじゃ、警察の捜査に近い調査を行えたり、拳銃を所持出来たり、探偵そのものの社会的地位が高かったりするのに日本は大違いですよね?
それもそのはず、日本では
誰でも探偵になれるんです…
各都道府県の公安委員会に届出さえ出せば、その日から誰でも「私は探偵です!」って名乗れるんですから、いつまで経っても社会的地位が上がるはずもありません。
これじゃあ、警察のような捜査権も拳銃の所持も許されないのも当たり前ですよね?
そう、誰にだって簡単に「探偵」を名乗れるということは、調査の知識が全くなくても探偵業を開業できることを意味しますので、これが「探偵社とお客さんのトラブル」が絶えない原因の一つではないかと個人的には思います。
探偵の役目とは?
現実の探偵は、殺人事件を解決する事もなければ、警察の捜査に協力する事もありませんが、探偵だからこそできる事があるのも事実です。
- 配偶者の不貞行為の証拠集め
- 様々な証拠撮影
- 家出人の捜索
- 結婚前の各調査
等、各素行調査や証拠集め、警察が出来そうで出来ないようなピンポイントでの家出人の捜索等が、探偵の主だった役目になるのではないでしょうか。